商材に別の光を当てて生き返らせたい

“フィクションのノンフィクション化”の法則

2016年2月10日

 

今回は、使える幅は狭いかもしれませんが、非常に強力な法則をご紹介。

 

みんなが知っている架空の存在を現実に呼び覚まして価値化してしまう、という、“フィクションのノンフィクション化”の法則です。

 

 

なぜ、何もないレンガの壁に年間5万通もの“恋文”が集まるのか?

 

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舞台は、北イタリアにある都市ヴェローナの一角。

 

ここには、何もないレンガの壁に多くの観光客が寄ってたかり、自らの恋の悩みをしたためた手紙を挟んでいく風習があります。

 

 

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なぜか。

 

それは、ここにはあの「ロミオとジュリエット」に出てくる「ジュリエットの家」とされる家が現存され、世界的に有名な“恋のパワースポット”とされているからです。

 

 

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もちろん、その物語があるだけで十分、人を惹きつける力があるといえます。

日本でも、大河ドラマの舞台となった場所には多くの人が訪れる現象は、よく見聞きしたことがあると思います。

 

しかし、このジュリエットの家には、他の場所と決定的に違うところがあります。

 

 

それは、「ジュリエットの秘書」と呼ばれる、ボランティアスタッフの存在。

 

別名 『ジュリエット クラブ 』とも呼ばれるそうですが、ここには有志の“恋愛達者な”女性スタッフが現在も駐在し、寄せられた恋文に対して、ある時は丁寧に、またある時は情熱的に、悩みに応える返事を一通一通書いて返送する、という取り組みを行っています。
つまり、現代のジュリエットになり代わって、返事を出す訳です。

 

 

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秘書の中には日本語がわかるスタッフもいるそうで、日本語の恋文にもきちんと返事が返ってくるのだとか。

 

 

 

“かの有名な〇〇の舞台です”という意味付けだけでも、もちろん価値は生まれます。

 

 

しかし、“架空の物語(=フィクション)”だと思っていたものが、それらしき形で今なお息づいている(=ノンフィクション)と、途端に物語が真実味を増して強い吸引力を持ち始めます。

 

 

手触りのある夢物語には、つい人は惹きつけられ、信じてみたくなる、ということでしょうか。

 

 

この強力な付加価値の創出方法、“フィクションのノンフィクション化”の法則の応用例を、もう少し詳しく下記で見ていきます。

 

 

 

架空の存在(フィクション)を、個人や企業の活動に組み合わせると?

 

▼縁結びの神様とやり取りできる?“京都地主神社 LINE@”

 

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非常にわかりやすい例として、まずは縁結びで知られる京都の地主神社がLINE@を活用した事例を。

 

こちらはおそらくご想像のとおりですが、LINEを介すことで、縁結びの神様と“友だち”になって、神様の事や正しい祈願方法などを教えてもらいながら若年層の来訪促進を行っています。

詳しくは下記が参考になると思いますので御覧ください。

 

神社でLINE@!?友だち数4000人超え、クーポン配信を使わずとも効果を実感したLINE@活用法

 

 

 

▼鬼から電話がかかってきて叱られる?“おにから電話”

 

おにから電話1

 

https://itunes.apple.com/jp/app/guikara-dian-hua/id566799704?mt=8

 

 

こちらは、親が子どものしつけのシーンでの活用を想定して制作されたアプリ。

 

片付けや嫌いな食べ物の食べ残しなど、なかなか子どもが言う事を聞いてくれない時に

「あー、そんなこと言うなら、今から鬼に電話してチクっちゃうよ?」

と、親が子どもをしつけ(脅し?)ができるようなサービス設計になっています。

 

 

おにから電話2

 

 

 

どこまで本当に効果があるかは定かではありませんが、”鬼”というフィクションな存在と電話ができる、というアイデアは突飛性と妙な真実味があって面白いですね。

 

また、同様の考え方でポジティブな方向に振ったアイデアとしては、サンタさんと電話ができるサービスというのもありました。

 

もしもしサンタ

 

※こちらは現在サービスを停止してしまったようです。

 

子どもがなかなかサンタを信じてくれない、という問題意識を背景に、こっそりプレゼントに欲しいものを聞き出すという効果も期待して、サンタと電話できるようにする、というのは親心的には素敵な着眼点だと思います。

 

が、ビジネス上、存続するにはなかなか難しいのでしょうね。。

 

 

 

▼神に通ずる電話?!“Dial  0642764284”

 

Dial '0642764284'

 

 

こちらは2人の学生が考案したアート作品。

 

ショーケース内に展示されたiPhoneは、何やら不気味な様相でガッチリ固定され触れることが出来ません。

しかし、この携帯の番号“0642764284”に電話をかけると、神様に会話が通じている、というコンセプト。

 

具体的には、電話をかけると3言語の選択案内があり、メッセージを残すように告げられ、そこで人は自分の犯してしまった罪などを告白します。

電話をかける度に受信音は鳴り響きますが、誰もこの電話をとることは出来ません。

また、会期終了後も永久に会話内容は封印されるとのこと。

 

少々子ども騙しのように感じてしまう部分もありますが、“仮に、本当に会話が神様に通じているならーー”という、妙な期待と説得力のあるアイデアだと思います。

 

 

 

商材がそもそも“架空の存在”ならば、現実を侵犯することで強い興奮を生むこともできる

 

▼ルパンがもし現実世界にいるなら?を再現した“LUPAN STEAL JAPAN PROJEST”

 

LUPAN STEAL JAPAN PROJEST

 

 

ルパンの映画公開に合わせて実施されたプロジェクト。

もっとも話題になったのは“渋谷のモヤイ像を盗み出す”という仕掛けで、これはもともと回収のため一次撤去予定だったモヤイ像を“ルパンが盗みだしたことにした”のですが、大変大きな話題となりました。

 

その他、犯行声明の発表やメディア各所に送るリリース文の演出含め、とても計算されたプロモーションだったと思いますが、詳しくは下記サイトにまとまっていますのでご参考ください。

 

http://777interactive.jp/archives/awards/2010/lupin/jp/index.html

 

 

 

▼G.I.ジョーが、空から降ってきた?!“G.I. Joe Paradrop

 

 

 

「G.I.ジョー」とは、もともとアメリカで人気玩具でアニメ化や実車映画化もされているキャラクター。

 

こちらの動画は、とあるホテルの屋上から突如、パラシュートをつけたG.I.ジョーの人形を大量にばらまいた際の様子を映し出しているのですが、撮影者を含め、その場に居合わせた人たちの強い興奮が色濃く伝わってきます。

 

ファンの子どもや大人たちにとっても、さらにG.I.ジョーが好きになる素敵なサプライズだと思います。

 

 

 

 

今回は、様々な事例を紹介させていただきました。

 

演出方法は様々だと思いますが、共通していえるのは、「現実にはいないケドね…」と皆の空想の中だけに存在していたものが現実世界に姿を現す、というのは、人に強い興奮を掻き立てるということ。

 

 

わかってはいてもなかなか応用の機会が限られる法則ですが、ここぞというチャンスを常に伺いたいと思います。

 

 


 

※その他の類似施策は、以下URLにまとまっていますのでご参考ください。

アイデアの補助線(Pinterest)|フィクションのノンフィクション化 の法則

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Comments

  1. なぜ、漫画「さよならソルシエ」に惹き込まれるのか?ー“ノンフィクションのフィクション化”の法則|アイデアの補助線

    2016年3月2日 at 6:32 PM

    […] 以前ご紹介した“フィクションのノンフィクション化”の法則では、架空の存在(=フィクション)を現実世界に表出させる(=フィクション化)という法則でした。 […]

  2. “プラシーボ効果”の法則|アイデアの補助線

    2016年3月19日 at 8:43 AM

    […] (架空の存在をリアルに呼び起こす、という点での面白さは、“フィクションのノンフィクション化”の法則 に通ずるものがありますね。) […]

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