好感度・ロイヤルティを高めたい

“極限チャレンジ”の法則

2016年8月20日

 

企業が顧客から好感度やロイヤルティを獲得するにあたって有効な手段は、何も顧客に対して媚びへつらうようなメッセージを送ったり、過剰なサービスを行ったりすることだけではありません。

 

時にはむしろその逆、かっこいい背中をみせて、俺についてこいと引っ張っていくような方法もあるはずです。

今回はそんな法則、“極限チャレンジ”の法則を取り上げます。

 

 

 

[Chapter1] 事例から法則を読み解く

なぜレッドブルは人類初の「成層圏スカイダイブ」を成功させたのか?

 

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もう5年ほど前の施策ですが…

 

レッドブルが、当時人類初の「成層圏からのスカイダイビング」を成功させたのをご存知でしょうか。

 

以下が、その模様。いま観ても、すごい。

 

 

 

 

レッドブルはこの「成層圏スカイダイブ」により、3つの世界新記録を樹立しました。

 

1 音速を超える人類初のフリーフォール:時速1,342.8km(マッハ1.2)

2 最高高度からのフリーフォール(スカイダイビング)記録:39,015m

3 有人気球飛行の最高高度記録 :39,044m

 

ですが、こんな記録をわざわざ引き合いに出さずとも、ひと目みればそのすごさは伝わります。

 

 

その感想とは、ひと言でいえばきっと「レッドブルやばい!」。

そしておそらく、レッドブルに対して「この会社がつくるエナジードリンクは効きそうだな…」という印象にもつながるのではないでしょうか。

 

 

レッドブルは言わずもがな、エナジードリンクをつくる会社です。

そしてエナジードリンクとは、“自分の限界を引き上げる”ためのもの。

そして自分の限界にチャレンジするものの代表格が、「エクストリームスポーツ」と呼ばれる人間離れした技を競い合うスポーツの類いであり、これまでにもレッドブルは様々なエクストリームスポーツの協賛を続けてきました。

 

 

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そして今回、その頂点を極める挑戦として、成層圏スカイダイブが行われた。

 

つまり、「限界への挑戦=レッドブル」という図式をつくることにチャレンジした、とも言えます。

そのことが、日々様々な限界に挑戦する人の心を掴み、そのまま商品の売上にもつながるわけです。

 

 

しかし、よくよく考えると、この図式は「業界のトップだけに許されたチャレンジ」という見方もできます。

 

業界2位、3位の企業にとっては、乗り越えるべき相手は「業界1位の企業」という明確な目標がありますが、当の業界1位の企業にとっては、自らに対抗できる相手はいません。

むしろ、無理に業界2位、3位の企業を相手にすると、かえって自らを視野の狭い、小さい器の企業に貶めかねません。

 

 

かといって、何もしなければ企業としての勢いを失ってしまう。

 

そんな中で、向上心を失わず、常に上を目指す姿勢を打ち出せないか?

そうすることで、2位と圧倒的な視座の違いを見せつけ、目指しているものからして段違いな”異次元な存在”として、自らの地位を確固たるものにできないか?

 

そんな危惧と発想から、こうした施策が生まれたのかもしれません。

 

 

自らの持つ商品力や顧客への提供価値の「極値」を見極めながら、ギリギリのところをチャレンジする。

業界トップの存在でさえ、成功できるかできないかわからないからこそ、観る人をハラハラさせる。

だからこそ、そして成功した暁には、大きな感動と尊敬が生まれる。

 

選ばれた者だけに許された、男気のあるブランディング手法といえそうです。

 

 

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[ “極限チャレンジ”の法則|Point ]

商品の機能や顧客への提供価値を見極めながら「ギリギリのチャレンジ」を設定する

「宇宙」や「超人」に挑むと極限感が出やすい

ドキュメンタリーな挑戦で、顧客を「歴史の証人」に仕立てる

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以降では、この法則を念頭に置きながら、活用イメージをさらに深めていきます。

 

 

 

[Chapter2] 法則から事例を読み解く

極限に挑んで顧客の心を掴んだ企業プロモーション5選

 

“極限チャレンジ”の法則にのっとって、様々な限界に挑んだ企業プロモーションをいくつかご紹介します。

 

 

①“つながりやすさ”の極限に挑んだ

Galaxy「SPACE BALLOON PROJECT」

 

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Galaxyの強みは、圧倒的な“つながりやすさ”。

 

その極限にチャレンジしよう、ということで、最もつながりにくい成層圏にGalaxyを飛ばしました

つながらなくなるその寸前まで生放送でその模様を映し出し、ユーザーからのコメントを募集してリアルタイムでスマホ画面に反映。

 

みんながそのプロジェクトを見守り、応援する一大プロジェクトとなりました。

 

 

 

②“つながる範囲”の極限に挑んでいる

Google「Project Skybender」

 

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続いてご紹介するのは、Googleが現在進行中のプロジェクト。

 

「世界中の情報をアクセス可能にする」を企業ミッションに掲げる彼らが打ち出しているのは、なんと、“成層圏に太陽光発電ドローンを飛ばすことで世界中に5Gインターネット網を敷いてしまう”というもの。

 

 

 

 

この壮大なプロジェクトによって、彼らが本気で「世界中の情報をアクセス可能に」しようとしていることが伝わります。

 

 

 

③“セックス”の極限に挑んでいる

Pornhub「Sexploration」

 

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こちらも宇宙系ですが、なんともおバカな試みです。

 

海外の大手アダルト動画サイトPornhubは、人類史上初の試みとなる“宇宙でのポルノ撮影”を敢行することを発表し、巨額の資金調達のためにクラウドファンディング・Indiegogoでキャンペーンを立ち上げています。

 

 

Pornhub Presents: Sexploration from Pornhub TV on Vimeo.

 

 

このチャレンジそのものに意味があるのはさっぱりわかりませんが…笑

 

少なくとも、話題になり、良い意味でも悪い意味でも「見据えてる視座が違う」存在としてアピールは可能です。

起用されている人気AV俳優たちは本気で無重力セックスの特訓に励んでいるそうですが笑、ここまでくるとチャーミングで好かれる企業になれるかもしれませんね。

 

 

 

④“吸引力”の極限に挑んだ

Cord Zero「Pro Climber Scales Building Using Only Vacuum Cleaners」

 

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韓国の大手家電メーカーLGが新しく発売したコードレス掃除機「Cord Zero」の、強い吸引力を示すプロモーション。

 

かといって、単に「吸引力がヤバイんです」といっても振り向いてもらえない。

そこで実施されたのが、33階建ての高層ビルを、掃除機の吸引力だけを使ってのぼるというキチガイじみた実証実験でした。

 

 

 

 

優れた機能があるからこそ、可能なチャレンジだと思います。

(「え、そもそもなんで登るの?」だなんて野暮なことを聞いてはいけませんね笑)

 

 

 

⑤“ロボット”の極限に挑んだ

KUKA Robotics「The Duel: Timo Boll vs. KUKA Robot」

 

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産業ロボットメーカーの独KUKA Roboticsが、自身のロボット技術を結集して挑んだのは、世界屈指の卓球選手でした。

 

その内容はシンプルで、「ロボットは人間に勝てるのか?」というもの。

近年、人工知能が囲碁の世界チャンピオンを破ったとして大変話題になりましたが、発想は同じですね。

 

その白熱する対決の様子は観るものを熱くし、KUKA Roboticsがいかに高性能なロボットを製造する会社であるかを伝えてくれます。

 

 

 

 

 

以上、“極限チャレンジ”の法則の参考になりそうな企業プロモーションのご紹介でした。

 

 

「誰もみたことがないものをみたい」というのは、人間の普遍的な心理。

そこに、企業が総力をあげて本気で挑んでいく、というところに、ニセモノではない、ホンモノのドキュメンタリーな感動が生まれていくように思います。

 

 


 

※その他の類似施策は、以下URLにまとまっていますのでご参考ください。

アイデアの補助線(Pinterest)| 極限チャレンジ の法則

 

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