自分ゴト化を促したい

“適材適所化”の法則

2016年6月11日

 

いくら商材やメッセージが魅力的でも、それを伝える場所やタイミングが悪いと、残念ながらその魅力は伝わりません。

 

しかるべきモノは、しかるべきタイミングと環境で届ける。

そうするだけで、案外、人は強く突き動かされるものです。

 

今回はそんな点に留意した法則、“適材適所化”の法則を取り上げます。

 

 

 

[Chapter1] 事例から法則を読み解く

「ドラゴン桜」が“漫画”から“東大受験参考書”になれたワケ。

 

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漫画「ドラゴン桜」をお読みになられたことはありますでしょうか?

 

おちこぼれだらけの学校に赴任した弁護士・桜木が、斬新かつ的確な勉強方法で生徒を東大に入学させるまでのストーリーを描いたこの本書には、「漫画」とひとえに呼んでしまうのが躊躇われるほどに、実際の東大受験にあたって参考となるテクニックが多数散りばめられています。

 

しかし、このドラゴン桜、当初は「本当に東大受験に役立つの?」と訝しがられてしまい、なかなか売上が伸びなかったといいます。

 

 

なぜか。

 

それは、本書はあくまで“漫画”という技法を通して描かれているため、「所詮、漫画でしょ」という、娯楽コンテンツとしての域を出られなかったことが大きな要因のひとつでしょう。

 

翻して、東大に入るための“参考書”に分類される書籍の数々は、肩肘張った、いかにも難しそうなタイトルや文体で書かれているものが大半を占めます。

 

 

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そう、つまり、ドラゴン桜は、本格的な参考書としての「お墨付き」が足りてなかったがために、あくまで漫画・娯楽ファンにしか読まれず、なかなか読者層が広がらなかったのです。

 

しかし、本書はご存知の通り、今もなお立派な“東大受験の参考書”として人気を博し、日本だけでなくお隣の受験国・韓国でもドラマ化されるにまで至りました。

 

 

では、ドラゴン桜はどうやってそこまでの「お墨付き」を得ることができたのか?

 

 

その答えは、売り場にありました。

 

漫画は通常、本屋の「漫画コーナー」でのみ売られるものですが、編集部の徹底的な営業により、ドラゴン桜を「受験参考書コーナー」に置いてもらい始めた途端、爆発的なヒットを記録したのです。

 

 

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さらにご丁寧に、漫画の帯にもこのような文章を掲載して販売していたといいます。

 

 

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売り場を、漫画コーナーから参考書コーナーに移しただけ。

 

たったこれだけで、ドラゴン桜は世間の誰もが認める“東大受験参考書”へと変貌を遂げ、買うべき人にきちんと買ってもらえるようになりました。

 

 

この事例は、「自分の届けたいものをターゲットに届ける」上で、見落としがちな視点があることを教えてくれます。

 

それは、自分の届けたいものが、相手にとってどんなに嬉しかったり、役に立つものだったりしていても、それを届ける場所やタイミングを間違えると、思いの外しっかりと届いてくれないということ。

 

 

ドラゴン桜は、その体裁は“漫画”でありながらも、売られるべき場所は漫画コーナーではなく“参考書コーナー”が適任でした。

 

物事の価値を届ける際には、きちんと適材適所がある。

それをしっかりと見抜いて実践することは、時として強力なアイデアになると思います。

 

 

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[ “適材適所化”の法則|Point ]

届けたいものの価値が最も伝わりやすい「場所」「タイミング」を見極める

適切な「場所」「タイミング」で届けられる「届け方」を発明する

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以降では、この法則を念頭に置きながら、活用イメージをさらに深めていきます。

 

 

 

[Chapter2] 法則から事例を読み解く

「一目惚れには薔薇が効く」を適材適所で訴求すると?

 

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薔薇の花、といえば、恋人との記念日やプロポーズの際に渡すイメージが一般的でしょうか。

 

ですが、さらに違った活用方法として、「一目惚れしてしまったら、相手に薔薇を渡すのが効果的」という価値イメージを訴求したいとします。

 

 

“適材適所化”の法則にのっとると、どのようなメッセージの届け方が考えられるでしょうか?

 

 

上記のメッセージを、たとえば花屋の軒先で伝えられても、「別に今は一目惚れなんてしてないし…」と、ちょっと小馬鹿にした受け止め方をしてしまいそうなところ。

 

そう考えると、“一目惚れしてしまった瞬間にこのメッセージを受け取る”ことが最も効果的と考えられますが…いかんせん、一目惚れというくらいですから、それをいつどこでしてしまうかわかりません。

 

 

なので、以下のような場所で、街頭にある非常用消化器のように、赤いボックスに薔薇を一輪入れるのはどうでしょうか。

 

 

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メッセージは、

 

In case of love at first sight: Break glass Funnyhowflowersdothat.co.uk

(一目惚れした際には、ガラスを壊してください)

 

 

一目惚れという緊急事態には、ガラスを壊してこの花をプレゼントしてください、という洒落の効いたメッセージ。

 

こちらは、オランダのフラワー協会がバレンタインデーに合わせて実際に制作したアンビエント広告です。

 

 

実際にこのボックスの目の前で一目惚れしてしまう、ということはほぼないと思いますが、“わざわざ街頭の一角に非常用ボックスを設置する”という行為そのものによって、メッセージの本気度を表し、伝えたい価値を力強く表現しています。

 

 

まさに、薔薇の新たな価値を適材適所で訴求した、ユーモア溢れるアイデアのご紹介でした。

 

 


 

※その他の類似施策は、以下URLにまとまっていますのでご参考ください。

アイデアの補助線(Pinterest)| 適材適所化 の法則

 

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