好感度・ロイヤルティを高めたい

“敵の踏み台化”の法則

2016年5月12日

 

阪神にとっての、巨人。韓国にとっての、日本。

 

そうしたライバル的な存在に対して「敵意むき出しにして食いかかる」ことは、球団や国を応援するサポーターを興奮させ、より強い絆(=好感度)を育むことにつながります。

 

(早い話、学校の新しいクラスの仲間に溶け込む時に、共通の趣味を見いだすよりも「共通の嫌いな友だち(=敵)」を見つける方が、仲間意識が芽生えたりするものです。)

 

今回ご紹介するのは、そうした“企業にとっての敵”をユーモア溢れる表現でけなし、自社を引き立てる“敵の踏み台化”の法則です。

 

 

 

[Chapter1] 事例から法則を読み解く

そこまでするか!少年がコカ・コーラを踏み台にしてまで買いたいものとは?

 

こちらはかなり前の、「コカ・コーラのライバル企業」のCMです。

短い映像ですので、まずは以下ご覧いただければと思います。

 

 

 

 

自販機を見上げる少年。

どうやら買いたいものがあるようなのですが、手が届かない様子…。

 

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何かを閃いた少年は、コカ・コーラを2つ買うと、地面に置いて何やら足場にする様子。

 

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コカ・コーラに乗って手を伸ばしたのは…そう、ライバル企業の飲料ペプシ・コーラ。

 

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ペプシを手にした少年は嬉しそうに、コカ・コーラをそのまま置きっぱなしにして立ち去って行きました。

 

スクリーンショット 2016-05-12 8.47.46

 

 

ここまであからさまにライバル企業をけなす表現は日本ではご法度なので観ることができませんが笑、それにしても、なんとも潔い表現です。

 

コカ・コーラのファンは当然憤慨するでしょうが、一方ペプシ・コーラのファンは、大喜びで大興奮する様子が目に浮かびます。

 

 

冒頭でも述べましたが、ライバル的な存在に対して「敵意むき出しにして食いかかる」ことは、企業を応援するサポーターを興奮させ、より強い絆(=好感度)を育むことにつながります。

 

実際に行うにあたっては様々な制約はあるでしょうが、ユーモアのある表現に落としこむことで、「ニクイけど、うまい!」と言わせることができれば、顧客の好感度・ロイヤルティを大きくアップさせることができそうです。

 

 

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[ “敵の踏み台化”の法則|Point ]

ライバル企業を「ダシ(踏み台)」にして自社を引き立てる表現を考える

単に貶めるのではなく「ユーモア」も含ませることで相乗効果が増す

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以降では、この法則を念頭に置きながら、活用イメージをさらに深めていきます。

 

 

 

[Chapter2] 法則から事例を読み解く

ライバルを踏み台にしたユーモア溢れるプロモーション3選

 

“敵の踏み台化”の法則にのっとると、他にはどのようなアイデアが考えられるでしょうか。

秀逸な事例を以下、いくつかご紹介していきたいと思います。

 

 

 

Volvo|The Greatest Interception Ever

 

まずご紹介するのは、北欧生まれの自動車メーカー・ボルボが、全米最大のスポーツイベント「スーパーボウル」の開催中に実施したキャンペーン。

 

このイベントは「全米で最も視聴率の高い番組」とあって、CMを流すとなると莫大な費用がかかってしまうという難点があります。

そんな中、VolvoはCMを流さずに、大きな話題を集めることに成功しました。

 

その方法とは、Twitterを使って“他の自動車メーカーのCMに便乗する”企画でした。

 

 

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その企画の中身とは、スーパーボウル放映中、他の自動車メーカーのCMが流れている時に、ハッシュタグ「#VolvoContest」を使って“Volvo XC60を贈りたい人の名前”をツイートすると、ツイートされた人の中から抽選で1名にVolvo XC60が当たるというもの。

 

他社がこぞってCMを打つことを逆手に取って、自社への関心を集めようとしたんですね。

 

 

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Volvoのために他社のCMをわざわざ見る、という行動を生み出すことになりますから、なんとも皮肉で挑発的な施策です。

 

実際にこちらのキャンペーンは大きな話題となり、CMを打たずに大きな効果を上げました。

 

 

 

DHL|Trojan Mailing (トロイの小包)

 

次の事例は、宅配業者のDHLが、UPS、TNT、DPDといったライバル業者の配送員達を「DHLの動く広告塔」に仕立てあげてしまったというアイデアです。

 

 

 

 

 

企画タイトルの「Trojan Mailing(トロイの小包)」は、もちろんギリシア神話の「トロイの木馬」が元ネタです。

 

今回敵の陣中に送り込んだのは、兵士を隠した木馬ではなく、”DHL IS FASTER.”(DHLの方が速いよ)という文句を大きく描いた巨大なボックス。

DHLのブランドカラーである黄色を基調とした、とても目立つボックスをライバル会社に運送させてしまおうという魂胆です。

 

しかし、他社の広告を貼り付けた大きな箱を、ライバルの業者がすんなり受け取ってくれるとは思えません。

実はこのボックスの制作には、温度によって変化する特殊な包装(Thermo-active foil)が使われました。

 

預ける前に冷凍庫で冷やしたボックスは、見た目ただの真っ黒になり、

 

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他業者のトラックは、何も気づかずに配送し始めます。

 

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しかし配送先に届くころには周囲が常温に戻り、パッケージはすっかり「DHL」に。

 

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かくして、各社の配送員がDHLの大きな広告を持って街中を歩き回る、という結果となりました。

 

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なかなかあざとい、秀逸なアイデアです。

DHLのファンであれば、「してやったり」とほくそ笑む様子が目に浮かびますね。

 

 

 

 Daintree|Shred Of Decency

 

最後にご紹介するのは、アイルランドの印刷会社Daintreeが「同性婚」を祝福するために行ったキャンペーン。

 

 

 

 

昨今、LGBTを認めようと世界中で運動が活発になってきました。

しかし、その一方では、同性婚に反対するリーフレットやパンフレットが多数出回っている状況でもあるといいます。

 

Daintreeは、同性婚の「敵」である、その同性婚反対のリーフレットやパンフレットに目をつけました。

 

では、そんな敵をどのように踏み台化したのか?

それは、持ち前の印刷技術をつかって「同性婚反対のリーフレットやパンフレットを、同性婚の結婚式用の紙吹雪に変えて販売してしまう」というアイデアでした。

 

 

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この紙吹雪の収益は、結婚の平等のために活動する団体への寄付金にまわされていたようです。

 

ウィットに富んだ、とても気持ちのいいキャンペーンでした。

 

 

 

ここでは代表的な“敵の踏み台化”の法則の事例をご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

 

うまく使いこなせれば、ファンのロイヤルティアップだけでなく話題化にもつながる可能性を秘めていそうですね。

 

 


 

※その他の類似施策は、以下URLにまとまっていますのでご参考ください。

アイデアの補助線(Pinterest)| 敵の踏み台化 の法則

 

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