とにかく注目を集めたい

“才能の無駄遣い”の法則

2016年4月19日

 

人々の注目を集めるのは、単に「すごい」「かっこいい」ものばかりではありません。

むしろその逆、「あまりにも下らない」ものもまた、特にWEB特有の文脈で話題となることもあります。

 

今回はそんな法則のひとつ、“才能の無駄遣い”の法則を取り上げます。

 

 

 

[Chapter1] 事例から法則を読み解く

「世界で最も役に立たないロボット」がムダに可愛い。

 

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こちらのロボット、実は「世界で最も役に立たないロボット」として話題となりました。

 

それはどういうことか?

以下の動画を見ていただければ、おわかりになるかと思います。

 

 

 

 

電源スイッチをONにすると、箱の中からアームが伸びて、スイッチをOFFにしてしまう。

 

 

たった、それだけの機能を持ったロボットです。

 

まるで、早朝目覚ましに起こされてしまったものの、布団から出られず腕だけ伸ばして、目覚ましを止めて二度寝してしまう、あの動きにも似ています。

だからこそ、このロボットにはどこか「人間らしさ」を感じてしまう、そんなチャーミングさが宿っています。

 

 

何より、このロボットが大きく話題となったのは、「ロボット製作」という高度な技術をもってして実現させたのが、「何の役にも立たない」機能という、いわゆる“才能の無駄遣い”感でしょう。

 

 

才能の無駄遣い、とはつまり「圧倒的な熱量や技術を、完全に誤った方向に使ってしまう」ことですから、はたから見ると、おバカさん。

一見すると、「この人は私たちの手が届かない存在」と、凡人からは線を引かれて妬まれるくらいの熱意や技術を持った人がおバカなことを全力でやってのけるわけですから、一般人としては「すごい人(やモノ)を見下せる=身近に感じられる」ことができるので、高い高揚感が生まれると考えられます。

 

さらに、先ほどのロボットに対する反応はおそらく、「意味ねーwww」「とりあえずかわいいw」「逆に子どもの玩具としてはアリなんじゃ?」といったものが大半でしょう。

つまり、ツッコミどころ満載。ツッコミたい欲求を駆り立てることで、SNSを中心にコメント付きで拡散したくなり、それをみた人が各個人の投稿にさらにコメントを付けることで、何度もSNSのタイムライントップに表示されて認知と関心の輪は拡大していきます。

(特に日本では、「いかに面白いコメントをするか」という大喜利合戦化することも多いため、大喜利のネタとなるコンテンツとして愛されやすいジャンルです。)

 

 

そういったこともあり、“才能の無駄遣い”という手法は、注目を集める上では効果的だと考えられます。

 

 

先ほどの「世界で最も役に立たないロボット」の類似事例でいうと、さらにその進化版も存在していたり、

 

 

 

(本当に、ただただ無駄ですね…笑)

 

 

その他にも、まさに「無駄機構」と呼べるようなGIFも見つけました。

 

 

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どれも、「こんなもの作る必要あるのか!?」と、思わずツッコミたくなる愛すべきロボットですね笑

 

 

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[ “才能の無駄遣い”の法則|Point ]

圧倒的な「熱量」や「技術」を、あえて誤った方向に使う

目にした人が「思わずツッコミたくなる」要素を散りばめる

誰もお金・労力をかけない安物を「超リッチ化」すると成立しやすい

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[Chapter2] 法則から事例を読み解く

まさに才能の無駄遣い!な企業プロモーション4選

 

4選、といいつつ、他にもたくさんあるのですが…

 

まさに才能の無駄遣い!と言えそうな企業プロモーションを、いくつか以下ご紹介です。

 

 

 

① docomo|「3秒クッキング 爆速エビフライ」篇

 

 

 

最初の事例は、ドコモが制作したバイラルムービー。

 

新サービスのLTEが「爆速並みに」早い、ということを伝える喩えとして、3秒でエビフライができる方法を紹介するという内容です。

 

一応、内容は伝えたい企業メッセージに根ざしてはいますが、その伝え方というか企業努力を、全く誤った方向に使っていますね。

 

「すごい!」「面白い!」から「ドコモなにやってんだwww」まで、ツッコミどころ満載です。

 

 

 

② HONDA|「Smartphone Case N」

 

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お次は、自動車メーカーHONDAがNシリーズのエアバッグの宣伝のために制作された動画。

 

いわゆる“フィクション・ドキュメンタリー”という手法(いずれ法則化してご紹介するかもしれません)で、ウソの話をあたかも本当のように開発者が語りながら、「スマートフォンにエアーバッグを搭載してみた」ことを語る内容です。

 

実際に製品化はされていませんので、プロモーションの一環としてつくられたフィクション動画だと思われますが、こちらもかなり下らない“才能の無駄遣い”の様子が描かれていますね。

 

日本ではあまりバズらなかった印象がありますが、当時海外では結構多くのWEBメディアに掲載されていました。

 

 

 

③ SKODA|「Original Cake Car」

 

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こちらは、チェコの自動車メーカー、SKODAが制作したCMです。

 

毎回ユニークなCM作品で見る人を楽しませてくれる自動車メーカーだそうですが、こちらの動画では、新発売の新車と同じ大きさ・かたちの「ケーキでできた車」をつくってしまいました。

 

もはや車の性能とは全く関係ありませんが笑、それでも、車や企業自体のチャーミングさ、顧客を楽しませようとするサービス精神が存分に伝わってきますね。

 

 

 

④ TOYOTA|「The Origami Inspired Car Revealed」

 

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最後は、トヨタのレクサスがイギリスで行ったプロモーションを。

(気付けば自動車メーカーの事例が続いてしまいましたが、他意はありません…)

 

「IS 300h」というレクサスの車種を、「段ボールで作り上げる」というプロジェクトです。

 

実に1,700枚のも段ボールを使用し、外装から内部まですべて段ボール、なのにきちんと走行可能というから驚きですが、「すごい!…けど、なぜこんなことを?」と思わずツッコミたくなるようなプロモーションです。

 

しかし、日本の自動車メーカーを代表するトヨタといえば、安心安全の「日本のものづくり」のシンボルでもあります。

その技術力を結集して「あえて誤った方向に存分に発揮する」ことで、話題となりました。

 

 

 

以上、簡単にですが、4つの“才能の無駄遣い”の法則の事例を紹介させていただきました。

 

情報感度の高いユーザーが、とにかく“ネタ”を探している昨今、うまく活用すれば話題化につながるやり口かもしれませんね。

 

 

最後、この法則を社会貢献活動に応用したチャプターに移ろうと思ったのですが、冷静に、「そんなことにお金使う余裕があれば寄付しろ」になりかねないため、そちらのベクトルでの活用は難しそうです…。

 

 


 

※その他の類似施策は、以下URLにまとまっていますのでご参考ください。

アイデアの補助線(Pinterest)| 才能の無駄遣い の法則

 

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