好感度・ロイヤルティを高めたい

“従業員愛の表出”の法則

2016年3月29日

 

今回ご紹介する法則は、当たり前のようでいて、意外と見落としがちな視点かもしれません。

 

顧客から企業・ブランドへの好感を勝ち取る手法のひとつ、“従業員愛の表出”の法則を今回は取り上げます。

 

 

 

[Chapter 1] 事例から法則を読み解く

なぜ、CM「わすれない夏 H.I.S.社員の旅篇」を観るとH.I.S.が好きになるのか。

 

2014年にH.I.S.が実施していたキャンペーン、「わすれない夏」。

その中で放映されていた「社員の旅編」が本当に素晴らしいので、ぜひ以下ご覧ください。

 

 

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※現在、動画がH.I.S.のFacebookページにしか残っておらず…お手数おかけいたしますが、上記リンクよりアクセスしてご覧ください。

 

 

こちらのCMは、「H.I.S.社員が旅行をしたときに自分たちで撮ったホームビデオをつなげてつくった」ものになります。

 

 

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手作り感あふれるCMで描き出されるのは、H.I.S.社員とは名ばかりの、等身大の「旅好き(旅バカ)」による幸せいっぱいの瞬間の数々。

見ているこっちまで笑顔になって、思わず旅に出たくなってしまいます。

 

 

このCMを観た多くの人はきっと、H.I.S.のことをもっと好きになってしまうのではないでしょうか。

 

 

それは、なぜか。

 

企業という「お堅い」イメージの中身、裏側を支える人たちの“人柄”が垣間見えてしまうから、ということもそうなのですが、それ以上に重要なのは、「これだけ旅好きな人たちが売っている商品(=旅)が、悪いものなはずがない!」と思ってしまうからではないでしょうか。

 

 

一般的に企業を動かすのは、サラリーマンです。

サラリーマンとは、ご自身の実感の通り、ポジティブな側面ばかりではありません。

 

ある人は、生活を成り立たせるために。またある人は、マネーゲームに興じるために。

様々な人間関係にも悩まされながら、「嫌々」「仕方なく」働いている人のほうが大半だと思います。

 

 

そんな中、この「わすれない夏 H.I.S.社員の旅篇」が描き出すのは、一般的なサラリーマンとは真逆のイメージです。

 

旅が好きで好きで、しょうがない。だから、働くのが楽しくて楽しくて、しょうがない。

自分が心から好きなものだから、どうしても、他の人にも好きになってほしい。

 

そんな気持ちが滲み出ているからこそ、社員に、企業に、自ずと好感が芽生えてしまいます。

 

 

また、早い話、仕事を思いっきり楽しんでいる人は、実際いい仕事をするものです。

そうした社員の存在を企業が快く受け入れ、誇りを持っていることも、CM化することで伝わってきます。

 

そうして芽生えるH.I.S.社員への信頼も相まって、このCMを通じて、H.I.S.のことをもっと好きになってしまうのではないでしょうか。

 

 

 

少し前の事例ですが、百貨店の伊勢丹が実施した、従業員総出でダンスを踊った「ISETAN-TAN-TAN」という動画が話題になりました。

 

 

 

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この動画を観た際に抱く「伊勢丹って良い企業そう」という読後感の原理は、まさに先にご紹介したH.I.S.のCMと同じです。

 

団体で「歌」や「踊り」を加えると、自然と“雰囲気の良さ”が醸し出しやすいというテクニックも使われていますね。

(これは、サイバーエージェントをはじめとする企業の「恋するフォーチュンクッキー」を踊る姿をみると、いい印象を持ってしまうのと同様の原理が働いています。)

 

 

これだけ商品もサービスも高度化・競争化され、目に見える差別的価値が見い出しにくい昨今。

 

従業員の会社愛を通じたイメージ戦略で、企業・ブランド自体に好感を抱いてもらおうというのは、ひとつの戦い方として、効果的な切り口なのではないかと思います。

 

 

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[ “従業員愛の表出”の法則|Point ]

商品・サービスではなく「企業・ブランド自体を好きになってもらう」視点を持つ

従業員の「仕事が好き」な様子を観察し、ドキュメンタリーに描く

「歌」「踊り」を加えると従業員の企業愛が滲み出やすい

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以降では、この法則を念頭に置きながら、活用イメージを深めていきます。

 

 

 

[Chapter 2] 法則から事例を読み解く

BtoB企業が「従業員愛」を通じて好感を勝ち取ることは可能か?

 

Chapter1でご紹介した事例はいずれも、BtoC企業によるものでした。

 

 

しかし、生活者と直接接点を持たないBtoB企業も、従業員愛を通じて好感を得ることは可能でしょうか?

 

 

ポーランドのソーシャルメディア分析企業「Brand24」は、あの家具最大手のIKEAがクライアントとなったことを受け、プレスリリースではなくバイラルムービーでその喜びを伝えようと考えました。

 

その内容とは、「IKEAと取引が決まったことが嬉しすぎて、弊社経営者はIKEAショールームで生活を始めました」という模様を伝えるというもの。

 

 

 

 

「Brand24」の経営者の“クライアントを愛する気持ち”が全面に押し出されたこの動画の効果は絶大だったようで、ポーランドにおける最もポピュラーで最もシェアされた動画のトップ10にランクインされたのだとか。

また、IKEA自体のバズも350%増加し(内99%はポジティブな評価)、ポーランドのバイラルキャンペーンの成功例の一つとなったそうです。

 

こんな企業があったらきっと、「すごくユーモアとクリエイティビティがあるな」と感じ、どうせソーシャルメディアの分析を頼むなら、この企業にお願いしてみたいと思うのではないでしょうか。

 

 

 

今回は、BtoC企業とBtoB企業、それぞれの“従業員愛の表出”の法則にのっとった事例をご紹介させていただきました。

 

やり方次第ではとても効果の上がる手法だと思いますので、頭の片隅に置いておいて損はない法則だと思います。

 

 


 

※その他の類似施策は、以下URLにまとまっていますのでご参考ください。

 

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