自分ゴト化を促したい

“部分交換”の法則

2016年3月27日

 

「これは自分にとって他人事ではないなぁ」と感じさせるハードルは、なかなか高いものです。

その点、今回ご紹介する法則は、ちょっと強引かもしれません。

 

関心を持ってもらいたい人と、それに対して無関心な人と。

そのお互いがもっているモノ、あるいはぜんぶ、を交換してしまうことで半強制的に、自分ゴト化せざるを得なくしてしまう“部分交換”の法則のご紹介です。

 

 

 

[Chapter 1] 事例から法則を読み解く

漫画『宇宙を駆けるよだか』に学ぶ、“入れ替わり”のもたらす「エグい自分ゴト化」。

 

yodaka

 

 

こちらの作品を読まれたことはありますでしょうか?

 

「このマンガがすごい!」の2016年オンナ編第5位に輝いた、『宇宙を駆けるよだか』という作品。

 

筆者は正直、この作品を「好き」にはなれませんでした。

それは、この漫画の設定と、それに続くストーリーが、かなり“エグい”と感じたからです。

 

 

かわいくて素直な性格のあゆみは大好きな人と恋人同士になったばかり。だが、初デートに向かう途中で同じクラスの然子の自殺を目撃し、意識を失ってしまう。目が覚めると、あゆみは醜い容姿の然子と身体が入れ替わっていて…。 容姿も性格もまったく違うふたりの運命が、奇妙にねじれながら交錯していく――。

 

 

物語のコアとなる設定は、「美女とブスの身体が入れ替わってしまう」というもの。

SFチックな設定ですが、それ以外は極めて、“普通に”物語が展開されていきます。

 

つまり、これまで容姿端麗で可愛い子が突然、外見的に“ブス”と呼ばれてしまう状況に置かれ、周囲からの冷たい視線に晒される。彼氏にも気付いてもらえない。家庭環境も崩壊しかけている。

そんな中でも、外見だけでなく“美しい心を持っていた”主人公が奮闘していくうちに、状況が変わっていくようなお話です。

 

 

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(左が然子、右があゆみ。彼女たちの身体が入れ替わってしまう。)

 

 

この漫画を読んで、決していい気持ちにはなれませんでしたが、それでも強く感じたこと。

それは、自分の一部、あるいは全部が、他人と入れ替わってしまうことによる、他人への圧倒的な自分ゴト化

 

一般論として、遺伝的に外見や知力が“劣っている”とされている人の気持ちに対し、どこまで寄り添おうとしても、「自分と他人」の境界線は超えられません。

それはその逆もまた然り、ですし、性別や国籍といった境界線もまた、“相手の気持を想像する”域を出ることはできません。

 

しかし、『宇宙を駆けるよだか』では、“身体”という、極めて自分の大事な一部が他人と入れ替わってしまう。

 

そして決して結ばれることのなかった、「クラスで一番イケてる女の子」と「クラスで一番イケてない女の子」とが、強くお互いを意識し、理解し合い、様々な葛藤を経ながらも“受け入れていく”。

そうすることで少なくとも、お互いがお互いの外見的な要素に対して、自分ゴト化をせざるを得ません。

 

 

これを身近な例で置き換えれば、海外の学生との「交換留学」もそのひとつでしょうか。

 

 

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お互いの“生活環境”を入れ替えることで、強い自分ゴト化が促されます。

 

 

もし、これまでの別の記事をお読み頂いていた方であれば、お気づきの方もいらっしゃるでしょう。

 

この“部分交換”の法則は、“当事者疑似体験”の法則以上に「本人になり代わる」という意味では強い体験を呼び起こし、“物理的リアリティ”の法則にも通ずる、五感に訴える深い理解をもたらします。

 

少々強引ではなりますが、方法論のひとつとして、持っておいていい切り口だと思います。

 

 

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[ “部分交換”の法則|Point ]

関心を持ってもらいたい相手と「交換」できるモノを探す

交換は可能な限り「身体の一部」に近いほうが自分ゴト化が強まる

交換が相手にとっても「メリット」「刺激」となるよう心掛ける

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以降では、この法則を念頭に置きながら、活用イメージを深めていきます。

 

 

 

[Chapter 2] 法則から事例を読み解く

紛争が続くイスラエルとパレスチナ。何かを“部分交換”できないか?

 

gaza

 

 

ご存知の通り、隣り合う国同士で争いを続ける、イスラエルとパレスチナ。

政治的・歴史的に解決することは本当に難しい立場で、引き裂かれ続けているこの二つの国。

 

 

そうした中であっても、草の根レベルで、つまりそこに住む互いの人達同士が、“部分交換”の法則を通じてお互いを理解し、受け入れたくなるような活動を行うことは、果たして可能なのでしょうか?

 

 

現地のペレス平和センターは、ひとつの問いを立てました。

 

それは、「あなたの血が流れている誰かを傷つけることはできますか?」ということ。

 

 

そうして生まれたアイデアが、イスラエルとパレスチナ、両国で暮らす人同士が「献血」によって互いの血を入れ替える“BLOOD RELATIONS”という取り組みでした。

 

 

 

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この、血を分かち合いながら流血の争いをやめよう、というメッセージは国を超えて大きな反響を呼び、アメリカのホワイトハウスや国際赤十字の支援を受けるまでに広がったそうです。

 

憎むべきはずの相手に“自らの血”を流すことで、強烈に相手に対する自分ゴト化を促す、というこの施策は、しかしものすごいインパクトと、「確かに同じ血が流れていたのなら…」という確かな実感をもたらします。

 

 

このように、『宇宙を駆けるよだか』のようなSF的設定がなくとも、確かに現実でも実践可能な方法は存在しているのではないでしょうか。

 

 

 

[Chapter 3] ブレスト・トライアル

日韓問題にも、この“部分交換”の法則を当てはめられないか?

 

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先に断っておきますが、筆者は特に、偏った政治思想を持ちません。

ですのであくまで、ブレストアイデアのひとつとして、この先をご覧いただけますと幸いです。

 

 

先程ご紹介したイスラエルとパレスチナの事例ですが、これはそのまま、日韓にも当てはめることができます。

 

しかし、同じように「献血」というアイデアでは芸がないので、別の切り口から、日韓の関係を修復するようなアイデアを考えてみましょう。

 

 

日韓問題。

 

そう聞くだけで、解決に途方も無い時間と労力を必要とする、大きな問題だという認識をお持ちかと思います。

 

ですがその一方で、筆者自身の身の回りにも、韓国人の友人は何人かいます。

そしてその誰もが、本当に“いい奴”です。

それは、なぜこんなにも国同士でいがみ合うのだろう、と思ってしまうほどに。

 

 

そもそもからして、日本人と韓国人は、外見的に似ていますよね。

(それゆえに、「同族嫌悪」的な感情を抱いてしまう気持ちも想像はできますが…)

 

そう思って調べると、こんな記事がヒットしました。

 

 

激似すぎてビックリ!!日韓そっくりさん

 

 

zakiyama

 

hitori

 

tukati

 

takao

 

 

に、似ている…。

 

芸能人でこれですから、一般人だともっともっと、いるでしょう。

自分のそっくりさんが、お隣韓国にひとりはいるのではないでしょうか。

 

 

で、あれば。

 

『宇宙を駆けるよだか』と少し似ていますが、なんならいっそのこと、“国民を入れ替える”というドッキリ番組をつくるのはどうでしょうか。

 

日本と韓国のテレビ番組がタッグを組んで、お互いの国民を入れ替えて生活させてみる番組です。

 

 

お互いが相手国の最低レベルの言語を数ヶ月特訓したのち、1日だけ、本当に入れ替わって生活する。

 

芸能人同士であれば、打ち合わせに軽く同席したり、友達に囲まれたり。

 

でも日本人であれば、妙に仕草やゴミを拾うなどの素行が良かったり、韓国人であれば、年上への敬意や女の子への気遣いが素敵だったりしてしまう。

お互いの国民の美点が垣間見えながら、それが「バレるかも?!」というドキドキエンターテイメントとして届けられる。

 

お互いのテレビ局が、バレるかバレないかのギリギリのシチュエーションを設定して、お互いの国民がハラハラ見守るようなドッキリ番組です。

(この場合、バレてしまった方の国が負け、ということになるのでしょうかね?)

 

 

ものすごく実現が難しいのは承知のうえで書いていますが、でも実際相当な視聴率を穫れる気もしますし、何より、これまでには全く無かった“エンタメ”という切り口で互いの国がつながることになります。

 

小難しい政治の話は抜きにして、お互いを理解し合い、親しみを持ち、歩み寄るキッカケになりそうな気がしました。

 

 


 

※その他の類似施策は、以下URLにまとまっていますのでご参考ください。

アイデアの補助線(Pinterest)| 部分交換 の法則

 

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