商材の価値を再認識させたい

“直球ど真ん中”の法則

2016年3月14日

 

本カテゴリー「価値の再認識」に限らず、これまで、様々な手法を凝らした法則のご紹介が多かったように思います。

 

そんな中、今回取り上げるのは、法則というにはあまりにも乱暴かもしれません。

小賢しいギミックは一切抜きの、どこまでも真っ直ぐ毅然とメッセージを打ち出す“直球ど真ん中”の法則です。

 

 

 

[Chapter 1] 事例から法則を読み解く

Honda「負けるもんか」はなぜ私たちの心を打ったのか。

 

honda

 

 

こちらの広告は、きっと目にした人も多いのではないでしょうか。

 

2012年に、HONDAが大々的に打ち出した企業広告です。

 

 

 

 

当時、この広告を目にして、素直に感動したのを覚えています。

 

 

 

努力はたいてい、報われない。

でもそれが、「自分が努力をしなくていい理由」になってしまうのか?

 

HONDAは負けない。諦めない。

 

キミは、どうか。

 

 

そんな、あまりにもストレートな志が、貫くように、私たちに強く何かを訴えかけます。

 

 

もし、何か工夫を凝らしたギミックなどを施してしまっていたら、インパクトは半減していたでしょう。

 

これは、大本命の異性に想いを伝える時と、もしかしたら似ているかもしれません。

妙なテクニックを駆使して演出された想いよりも、直球ど真ん中、真摯に真正面から想いを伝えられたほうが、案外強かったりするものです。

 

 

そして、もうひとつ大切なのは、これも恋愛と一緒ですね、タイミングです。

このメッセージは多くの反響を集めましたが、それにはやはり、時代背景の影響が大きかったように思います。

 

 

何より当時は、震災後でした。

 

圧倒的な災害に打ちひしがれて、国民全体が半ばヒステリックなほどに空元気を出し、協力し合い、とにかく前に進もうとしていました。

 

そんなときに、こんな言葉です。

響かない、わけがない。

 

まさに、国全体に漂う空気感のようなものを、「負けるもんか。」という一言で、代弁した。翻訳した。

表現を弱くしてしまうだけ、の小賢しいひねりは一切ありません。

 

 

だからこそ、多くの人が共感できたのだと思います。

 

 

いまこの広告をみても、もちろん感動しますが、やはり「あの時あの瞬間に」目にしたときのインパクトには、遠く及ばないと思います。

 

 

この辺りの考察は、前に書いていたブログで取り上げさせていただいた

 

 「アナと雪の女王」が大ヒットしたワケを考察してみた。

 

にも通底しています。

(長い考察ですが、もしご興味があればご覧ください。)

 

 

みんなが言いたかったこと、振る舞ってみたかったことを、言い当ててしまう強さ。

「負けるもんか。」にも、その原理が働いていたのでしょう。

 

 

ただ単に、直球勝負をしても、よほどの威力がない限りは心に届きません。粉砕してしまいます。

時代背景に合わせ、しかるタイミングで投げることが重要です。

 

 

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[ “直球ど真ん中”の法則|Point ]

小賢しいひねりは一切なし、「ド直球に」「堂々と」想いの丈をぶつける

「時代の気分」を読み、みんな言いたいのに言い当てられていないことに着目する

伝えたい想いと時代の気分の「接点」を見つけ、しかるべきタイミングで言い放つ

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以降では、この法則を念頭に置きながら、活用イメージを深めていきます。

 

 

 

[Chapter 2] 法則から事例を読み解く

女性の「強さ」を表現するには?

 

かなり抽象的な見出しになってしまいましたが…

 

女性の「強さ」を、動画を通じて伝えるにはどうすればよいでしょう。

 

 

「強さ」、といってもいろいろとあるわけですが、たとえば、SNS時代における「強さ」を考えてみます。

 

 

強さの裏返し、「弱さ」を露呈してしまうのは、きっと“ネットで匿名の人たちから陰口をたくさん書かれてしまう”といったことへの恐怖ではないでしょうか。

 

わざわざここで論じる必要もなく、多くの人がSNSで繋がりあった結果、必要以上に見栄を張っては己の虚像をつくりあげ、一方で誰かの悪事は千里を走るようになったことは、言うまでもありません。

 

だからきっと、誰もが心の底では思っています。

 

 

他人の目は気にするな。己を信じろ。

 

 

そんな着眼点を元に、直球ど真ん中でこのメッセージを発信したのが、アンダーアーマーでした。

 

 

under

 

 

 

ひとりの女性が、黙々とサンドバックに打ち込む姿。

その周りには、プロジェクションマッピングで、文字が映し出されます。

 

これ、実は、この人に対するネットでの悪口なんですね。

 

この女性は「世界でもっとも稼いだモデル」とも言われる、ジゼル・ブンチェン。

彼女がアンダーアーマーのタレントに起用されるとのニュースが広まったとき、SNSでは賞賛と同時に、「なぜあんなやつが!」といった悪意や嫉妬の言葉が溢れ返りました。

 

 

しかし、アンダーアーマーは考えました。

 

他人の目は気にするな。己を信じろ。

 

このCMでは、サンドバッグに向かって一心不乱にトレーニングする彼女の周囲の壁に、SNS上に実際に投稿された悪口を投影しています。

 

周囲の雑音にとらわれないこと。

黙々と努力し続けられる者こそが憧れの対象になること。

 

そんなメッセージを、一人の女性の姿とともに浮き彫りにするかのようです。

 

 

動画の最後に映し出される文字は一言、「I WILL WHAT I WANT(私が欲しいものを、私は望む)」。

 

 

最高にかっこいい「強さ」が響きますね。

 

 

 

「他人の目を気にしない」という強さを訴えた別の事例でいえば、英国のスポーツ促進団体・Sport Englandが制作した動画“This Girl Can”もそうでしょう。

 

「多くの女性が他人の目を気にするあまり、スポーツをすることに臆病になっている」という調査で明らかにし、「どんな体型の女性でも運動することは素晴らしいことだ」というメッセージを、まっすぐに、まっすぐに打ち出します。

 

 

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女性讃歌、人間謳歌的な表情豊かな女性たちの姿に、とても励まされますね。

 

 

 

今回の法則は、とてもシンプル。

だからこそ、時代背景の読み方や、それを受けてのメッセージの打ち出し方、その強さの質が問われてしまいます。

 

ただ、回りくどいことを考えず、思い切って直球ど真ん中勝負をしてみる、という発想は、何のアイデアを考えるにせよ大事な視点だと思います。

 

 


 

※その他の類似施策は、以下URLにまとまっていますのでご参考ください。

アイデアの補助線(Pinterest)| 直球ど真ん中 の法則

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