とにかく注目を集めたい

“騙し絵”の法則

2016年3月12日

 

今回ご紹介する法則は、わざわざ法則というほどのことでもないかもしれません。

 

目の錯覚を引き起こすようなギミックで注目を集める“騙し絵”の法則です。

 

 

 

[Chapter 1] 事例から法則を読み解く

サカナクション「アルクアラウンド」PVから目が離せないのはなぜか。

 

 

サカナクション / アルクアラウンド

 

 

こちらのミュージックビデオをご覧になられたことはありますでしょうか?

随分前にリリースされた曲ですが、サカナクションの「アルクアラウンド」という楽曲のPVです。

 

 

ご覧頂いた方が早いのですが、このPVも面白いところはなんといっても、歌詞のオブジェでしょう。

 

ただの白い物体だと思っていたオブジェが、カメラがある一点に到達すると、歌詞が浮かび上がる仕掛けです。

 

 

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sakana

 

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sakana4

 

 

様々な演出方法を駆使しながら、次々と謎のオブジェが出てきては、歌詞が浮かび、消えていく。

 

その様子からは、目が離せません。

 

 

ではなぜ、目が離せないのか。

 

「歌詞を読みたい」という純粋なモチベーションが働いていることは言うまでもありませんが、それ以上に目を引きつけさせる原理は、「?→!」の連打がもたらす快感でしょう。

 

つまり、「謎のオブジェがある(?)→歌詞が浮かび上がった(!)」という現象の連続。

冒頭で仕組みを理解した後も、「次はどんな文字が、どんな仕組みで浮かび上がるのだろう?」という期待をもってPVを見続けてしまう。

 

ある意味予定調和的に繰り返される「?→!」は、しかし、何度観ても生理的に“気持ちがいい”と感じてしましますよね。

人は「予想外」も気持ちがいいですが、「予想通り」もまた、気持ちがいいと感じます。

 

 

脳みそを意図的に勘違いさせて、「そういうことか!」と予想を裏切る。

次はきっとこう、と期待させて、「やっぱりそうか!」と期待に応える。

 

前者の部分については、実は、以前ご紹介した、“ミスリード大どんでん返し”の法則にも共通する要素があります。

 

 

ほぼ同じような錯覚を利用した表現動画に、Appleの“Perspective”がありますね。

 

 

 

 

錯覚に限らず、“騙し絵”的な表現は様々に存在しますが、非常に吸引力のあるアイデアです。

 

具体アウトプットを考える際、知っておいて損はないと思います。

 

 

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[ “騙し絵”の法則|Point ]

「脳みそを騙す」(錯覚)表現を知る

「?→!」の快感の強さを追い求める

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以降では、この法則を念頭に置きながら、活用イメージを深めていきます。

 

 

 

[Chapter 2] 法則から事例を読み解く

売上42%増!サッカーゲーム「FIFA14」のオンライン広告が秀逸すぎる。

 

fifa

 

 

こちらは、ブラジルで実施された事例です。

 

「FIFA 14」の魅力は、なんといっても、生のリアルな試合映像に引けを取らないほどの“超高画質映像”。

では、この“超高画質映像”をつかって、騙し絵的に人々を欺いて快感を覚えさせることはできないでしょうか?

 

 

ブラジルのゲーム会社が実施したのは、なんと、“WEBニュースサイトで掲載される実際の試合画像を「FIFA 14」のゲーム画像にすり替えてしまう”という奇抜なアイデアでした。

 

以下が実際に、ニュースサイトに掲出された画像です。

 

 

fifa1

 

fifa2

 

 

これらの画像をクリックすると、

 

これは「FIFA 14」が作り上げた画像です。リアルすぎて本物と見間違えたでしょ?

 

とのメッセージが現れ、そのままリンクからゲーム購入サイトに動線が張られていました。

 

結果、この取り組みはブラジル国内外の複数のメディアで取り上げられ、売り上げは昨年度版に比べて42%も増加。

発売から一カ月でPS4版は売り切れ状態となったそうです。

 

 

 

 

上記では、超高画質の画像を武器に、本物と見違える騙し絵として活用した例でした。

 

 

他にも、騙し絵を活用した事例を以下列挙いたしますが、

 

たとえばHONDAは、錯覚ビジュアルを使い倒したCMを制作して話題になったり、

 

 

 

 

トルコのグラフィックデザイナーで、電気技師でもあるTolga Girgin氏は、ページから飛び出すように見えるカリオグラフィーの実験を続けています。

 

 

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3D Calligraphy Experiments by Tolga Girgin

 

 

また、遠近法をつかった錯覚表現も多いですね。

 

アルバニアのフォトグラファーAdrian Limani氏は、月と戯れるアートを制作しています。

 

 

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Creative Photographs of a Person Playing with the Moon

 

 

惹きつけられますね。

 

 

 

[Chapter 3] ブレスト・トライアル

『今』を強調する騙し絵写真を実験してみた。

 

wedding

 

 

ある日ネットサーフィンをしていたところ、上記の写真と出会いました。

 

生の瞬間を、まるで絵のように、『額縁』の中に収める騙し絵的な表現。

うまく言語化できない部分はあるのですが、「素敵だな」と直感で感じたんですね。

 

額縁に収められた一瞬が、普通に写真に収められるよりもずっと、大切にされてる感じがします。

額縁を持つ子どもたちの、何かいたずらしているかような高揚感も、グッときます。

 

 

そしてふと思ったのが、この表現の応用篇として、“額縁の外だけ色彩をモノクロにする”というアイデア。

 

そうすれば、より額縁の中の『今』を強調しながら、額縁の外にも広がる空間に違和感を与える、騙し絵的な表現ができると思いました。

 

 

そう思い、実施してみた活動が、2つあります。

 

 

1つ目の活動は、東日本大震災から1年後に現地で行った、写真アート的な取り組み。

 

 

kame1

 

kame2

 

 

この作品は2枚組になっていて、1枚目が、震災直後にメディアで報道された有名な場所の写真。

そして2枚目が、震災1年後に、その場所で生きる『普通のヒーローたち』の写真です。

 

当時僕は、疑問に思っていたことがありました。

 

震災後に散々報道された悲惨な場所は、今、どうなっているのかを全く知らない、ということ。

そしてもし、復旧・復興しているのだとしたら、その本当の要因とは、パフォーマンス的に巨大な支援を行ってメディアでヒーロー扱いされているような“特別な人たち”によるものではなく、メディアにも取り上げられない、一生ドラマ化も映画化もされないような『普通の人たち』の日頃の頑張りがあるからなのではないか、ということ。

 

本当に尊いのは、現地で暮らし続ける、普通の人たち、普通のヒーローたちだと思ったんですね。

 

 

そんな想いから、震災当時の報道写真の中でも有名な場所を調べては、現地を通りかかった普通の人たちを額縁に入れて、写真を収める活動をしていました。

 

震災1年後の額縁の中に映る『今』を、『普通のヒーローたち』を、強調したかったんです。

 

 

kandume1

 

kandume2

 

sister1

 

sister2

 

 

他にもまだまだあるのですが、ほんの一部をご紹介させていただきました。

どれも懐かしいですが、最近は東北に足を運んでいません。

 

近々、また行ってみたいと思います。

 

 

 

そして、同じ仕組みを使って試みている2つ目の活動は、全然高尚でもなんでもないのですが、僕のinstagramで実施しているTitle『Present』という取り組み。

Image (4) Image (1) Image (3)  Image (2) Image (7)

yuhi_suzuki01|instagram

 

 

ご覧のとおり、小さな額縁を風景にかざして撮って、額縁の外だけをモノクロにした写真集です。

 

 

もちろん写真の質だけが要因ではないのですが、はじめて1ヶ月でフォロワーさんが1,000人ほど増えたので、ある程度は印象的なものになってるのかな?と期待していますが…

 

『今』って瞬間は、がかけがえのない『プレゼント』、なら額縁に入れて大切に飾ってみようという発想なのですが、この活動をはじめてからは、何気ない毎日の中から素敵な瞬間を探す癖がついて、なかなか楽しいですね。

 

 

もしご興味がありましたら、ご覧いただけますと幸いです。

 

 


 

※その他の類似施策は、以下URLにまとまっていますのでご参考ください。

アイデアの補助線(Pinterest)| 騙し絵 の法則

 

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